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SS置き場

Twitterで書いた二次創作SSを載せていくだけの場所。 夢も腐もある無法地帯。

バベル君が吐くだけのSS

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バベル君が吐くだけのSS

せいやくんにはぐされるのも、おにいちゃんになでてもらうのも、ふぁんのみんなとあくしゅするのも、バベルはだいすき。みんな、すごくあたたかくて、バベルのこころもからだも、すごくぽかぽかする。
ぽかぽかが、こんなにしあわせなきもちになるなんて、しらなかった。むかしは、ぽかぽかになるのがこわかったから、はじめてうれしいっておもったときは、びっくりして、ないちゃいそうだった。
ひととのふれあい。それはとってもたいせつで、しあわせなもの。だから、たくさん、たくさん、みんなとふえあいたい。そうおもった。そのはずだった。



きょうはおしゃしんをとるおしごとがあった。バベル、しゃしんをとるのがすきだから、すごくはりきった。
きょうのかめらまんさんははじめてのひとだった。いしょうやめいくのすたっふさんも、みんなしらないひと。
みんなとなかよくなれたらいいな。そうおもってわくわくしてた。それなのに、いざおしごとがはじまると、こころがそわそわしはじめた。あんまりいいきもちじゃない。でも、それがなぜなのかわからなかった。
くろとさくがいないから?ぷろでゅーさーがいないから?
ちがう。ばらばらでおしごとをすることはこれまでもあったけど、こんなことになったことはいちどもなかった。
「いいね、次はもう少し妖しい感じに笑ってみてくれない?」
「これでいいか?」
かめらまんさんのいわれたとおりにぽーずをきめていく。すこしへんなこともおねがいされたけど、きにしているよゆうはあんまりなかった。はやくおしごとをおわらせたい。そんなあせりがあって、あたまのなかがぐるぐるこんらんして、れいせいにものごとをかんがえられなかったから…。
かめらのふらっしゅがまぶしい。めがちかちかして、あたまがくらくらする。
「じゃあ、次は床に寝そべってみてくれる?」
「構わないが……」
「もう少しこっちを見上げて。そうそう、あと、ちょっと服を着崩してくれない?」
かめらまんさんのたのしそうなこえだけがやけにあたまにひびいた。つぎからつぎへとちゅうもんがはいって、どんどんないようがかげきになっていく。
それがふえればふれるだけ、もやもやがおおきくなっていった。
あぁ、わかった。ふあんなんだ。すごく、ふあんでしかたがないんだ。
かめらまんさんの顔はバベルからはみえない。でも、しせんだけは、いたいくらいにかんじた。まとわりつくようなかんかくがして、せなかがぞわぞわしてきもちがわるかった。
こわい。いやだ。
いしきしてしまったら、そんなきもちがあふれてとまらなくてきた。ふぁんのみんなや、あいちゅうのみんなにみてもらえるとすごくうれしいはずなのに、いまはみられるのがくつうだった。
「うーん、一度上の服全部脱いでみてくれない?」
「すまないが、事務所から許可がおりていないから出来ない」
「そんなこと言わずにさぁ。いいでしょ、少しだけだからさぁ」
さむけがした。はじめておしごとをにげだしたいとおもった。
でも、そんなことはゆるされない。いまのバベルは、あるけみすとのバベル。それをきちんとこなさないといけない。
だいじょうぶ。えんぎはとくいだから、ちゃんとえんじきれる。
そういいきかせて、たえるしかなかった。



さつえいのおしごとがおわったのはよるになってからだった。
すたっふさんたちに、ありがとうのあいさつをしてからのことは、よくおぼえていない。ただ、きもちわるさからにげたくてひっしで、きづいたらおうちにもどっていた。
「バベル、帰ってきていたのか。どうした、随分と顔色が悪そうだが?」
「おにいちゃん……」
へやにもどろうとしたら、おにいちゃんがようすをみにきてくれた。
おにいちゃんのかおをみたら、ほっとして、うれしさがあふれてきた。でも、きょうはおなじくらいに、むねがものすごくいたくて、くるしくなった。どうして、こんなきもちになるの?
「おい、大丈夫か?」
「うん。ちょっとつかれただけ」
ほんとうはぜんぜんだいじょうぶなんかじゃない。だけど、いまはどうしてもひとりになりたくて、バベルはうそをついてしまった。
いつもなら、おにいちゃんにあまえたくなるはずなのに…。きもちわるさをはきだして、たくさんないて、このくるしさをうけとめてほしいはずなのに……。
きょうのバベルはひとりぼっちをえらんだ。
「とーってもねむいからもうねるね」
「おい、バベル……」
「おやすみー」
おにいちゃんにつかまるまえにおへやににげこむ。それからかぎをかけて、まどもしめて、だれもはいってこれないようにした。
これでいい。これでいいの。
「うっ…ぐ………」
あんしんしたしゅんかん、ずっとたまっていたきもちわるさがこみあげてきた。いがのたうちまわって、ぐるぐるおとをたてる。のどがぎゅーってなって、いきがつまって、おもわずくちをおおきくひらいてしまった。
「う…げぇぇ………」
のどのあっぱくがなくなったつぎのしゅんかん、くちのなかが、すっぱさとにがさでいっぱいになった。それからつんっとはなをつくようないやなにおいがした。
びちゃびちゃのしろいものがたくさんくちからあふれでて、とまらない。なみだもぽろぽろこぼれていた。
「うっ……うぅぅ………」
なんでこんなことになるの?なんでこんなにくるしいの?
かなしいでもない。いたいでもない。こわいでもない。もっとぐちゃぐちゃした、ひどいきもちでいっぱいになっていく。
のどはあつくて、しんぞうはどきどきしてる。でも、このぽかぽかはすきになれそうになかった。むしろ、きらいになったはずのつめたいあめが、いまはとてもこいしくてたまらなかった。
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