Twitterで書いた二次創作SSを載せていくだけの場所。 夢も腐もある無法地帯。
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ちゅっ、ちゅっ、と。優しく唇が降ってくる。
額に、頬に、耳朶に、鼻先に。何度も、何度も、触れてくる。
いやらしさのない、可愛らしいキス。初めはとても心地がよくて、幸福だった。
それなのに、どんどん物足りなくなっていく。でも、ひたすら私を愛している彼に、そんな事を言えるはずがなかった。
「どうしたの?」
彼は優しく囁いてくる。それすらもじれったい。
「何でもない……」
純粋で綺麗な目。そんな目で見られたら、もっとほしいなんて言えるわけがなかった。
また、キスの雨が振り始める。触れてないところがなくなってしまうのではないかと思えるくらいに、場所を変えて、降り続ける。私の唇を除いて……。
どうして触れてくれない?一番心地のよいところに愛をくれない?私はこんなに貴方が欲しくて、求めているのに。
焦らされて、焦らされて…。
ようやく、彼は真っ直ぐに私を見た。形のいい唇が笑みを浮かべて近づいてくる。だけど、触れるか触れないかギリギリのところで、彼はとまってしまった。
「ねぇ、もっとよくばってもいいよ?」
温かな吐息が、とても誘惑的な言葉と共に吹きかかる。そんな刺激じゃ足りない。だけど、彼は動かない。
「ねぇ、きみはなにがほしいの?バベルにおしえて?」