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SS置き場

Twitterで書いた二次創作SSを載せていくだけの場所。 夢も腐もある無法地帯。

半猫化したバベル君が黒君に甘えるSS

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半猫化したバベル君が黒君に甘えるSS

ざらざらとした舌が黒羽の首を滑っていく。まるで子猫がミルクを飲むように、何度も、何度も、チロチロと行き来を繰り返す。
愛撫に似て異なるその行為は、心地よさよりもこそばゆさが勝り、黒羽は必死で込み上げてくる笑いをこらえていた。
腹が捩れそうで苦しくて、黒羽はバベルの頭を押し返す。その頭にはピンと足った猫の耳が生えていた。
「バベルやめ、くすぐっ……くくっ……」
「えー。バベル、もっとくろをなめたい」
不満げな声を漏らすバベルはムスッと頬を膨らます。彼の頭に付いた耳は、感情に連動して少しだけ伏せた。
どういうわけか猫化してしまったバベルは、精神的にも猫に近付いてしまっているようだ。気まぐれで甘えたで、さっきから黒羽に自由気ままにまとわりついて離れようとしない。
とはいえ、幸せいっぱいに微笑みながら甘えてくる彼が可愛くて、黒羽もついつい構ってしまっているわけなのだが、ずっと舐められていたら身が持たない。
「ぺろぺろされるの、いや?」
「嫌ではないが…ずっとされるのは耐えられそうにない」
「そっか……」
結局、この攻防の勝ちは黒羽だった。ようやく彼の舌から解放された。
「ねぇ、くろ。こっちむいて………」
ホッとしたのも束の間で、再びバベルの手が黒羽に絡み付く。薄くて鋭い爪の生えた彼の指が、黒羽の顔に傷をつけないようにそっと触れる。
次は何をするつもりなのか。黒羽が出方を伺っていると、ちょんっと鼻先にほんのりと熱を感じた。
視界が細長い瞳孔をした神秘的な青い目で埋め尽くさる。
「えへへ、はなちゅーしちゃった」
人間離れした猫目が細められ、離れていく。次第に全貌が見え始めたバベルの顔は、ふにゃりと笑っていた。
キスされたわけでもないのに、微かに鼻が触れ合っただけなのに。黒羽の心臓はバクバクと暴れ回っていた。
「くろ、かおがまっかでかわいい。どきどきした?」
「う、うるさい!」
動物は人の感情の変化に敏感だという。ふとそんな事を思い出した黒羽は、自分の鼓動の変化を誤魔化すように、バベルの頭をわしゃわしゃと撫で回した。
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